最優先事項

手
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  昨日のこと。
午前中、チャイムが鳴り出ると、そこに子が立っていた。

「お腹痛い。帰って来た。」

 腹痛が酷く、結局、現地まで行かずにUターンして来たと言う。
慌てて学校に電話をし、休むと伝えた。

しばらくトイレから出て来なかった子。顔も青褪めていたし、嘘ではない。
ただ、昼過ぎになるとお腹が空いたと言うので温かいうどんを出したらぺろりと平らげた。
その後は、テレビを観ながらスマホをしたりといつもの調子に戻り、安心したけれど同時に別の不安が押し寄せる。
このまま、不登校になったりはしないだろうか?と。
この日は珍しく、子ども部屋に籠ることも無く、殆どリビングにいて、私にやたらと話し掛けて来た。
他愛のないことなのだけれど、中高になり友達優先で私のことなど二の次だった我が子が、母親を必要としているのかな、と思うとそれに応えなくてはと、実際はパートのことで気が沈んでいるところなのだけれど無理やり明るく振舞った。

 夫が帰宅し、子が社会科見学を休んだ―途中で帰宅したことを伝えると、驚いた顔をしたがすぐに元の表情に戻り、

「そうか、分かった。」

 しかし、子には普段通り何事も無かったかのように接していた夫。
子が寝た後、夫婦だけの会話になった時にぽつりと、

「ちょっと様子見だな。あなたも、今は花子のことを一番に考えて。」


 と言われてしまった。
そして、その言葉が後押しとなり、パートを退職することに決めた。


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