カネの国

山 生活
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 先日行ったばかりのディズニー。
新エリアオープンの特番を観ていた子が、夏にまた行きたいと言い出した。
朝から晩まで、テレビを点ければ芸能人らが新エリアのリポ―ト三昧。
いい加減、飽きて来た。

「でも、必ず新エリアに行ける訳じゃないんでしょ?」

 新エリアに入る為には、別にパスポートが必要らしい。しかも有料。
数分で売り切れという事体。
普通に入場出来るのは何年も先になるのではないか。


 子が成長し、家族でそういったテーマパークへ行くことはなくなった。
まだ10年前はここまで高額ではなかったディズニーランド。
今は入場料だけではく駐車料金もアップ、夢の国ではないカネの国になってしまった。
子は友達と行くようになったし、幼い頃は何度か連れて行ったし、思い出は残っているけれど。
この物価高で生活もままならない子育て世帯にとって、子どもも目にするテレビで大々的に宣伝し、だが行けるのは一定数の余裕のある人々だけ。
小さな子ども達は、家庭の事情など汲み取れるわけでもなく、テレビで目にする夢の世界に惹きつけられる。だが、実際そこには行けない現実。親は連れて行きたくても宥めるしかないし、金があっても仕事と家事育児で疲れ果てているところにあの混雑極まりないテーマパークで何時間もアトラクション待ちをする体力と気力すら持ち合わせておらず、だったらゆっくり温泉に行きたいのが本音。
大人にとっても子どもにとっても、もう手の届かない、暮らしの格差を突き付けられる世界。
それは果たして、ウォルトディズニーが望んでいた世界なのだろうか。


 今日もまた、もう見飽きた新エリアの宣伝。
そっとテレビの電源を切った。

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