パート同期

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 初出勤、もうくたくた。
今日は休みでまた明日出社。
シフトについては、しばらくは変動とのこと。
夫と子を見送った後、二度寝してしまってこの時間。
緊張でよほど疲れたのか、肉体を使う仕事でもないのに体中が痛い。


 私の予想は当たり、女性面接官が直属の上司。
そして、その後輩社員が私と多分同世代。
彼女らの仕事を、私ともう一人の同期とで補佐する。
同期も、同世代。
昼は休憩室で一緒に食べたのだけれど、何となくこちらから個人情報を根掘り葉掘り聞くのは躊躇われ、だがあちらから質問されたら私も同じ質問を返す感じで少しだけ互いの情報交換。

彼女の名前は、花山さん。
お子さんはもう成人しているらしい。 
持っている通勤バッグや着ている服やアクセサリーを見て、お金に困ってパートをしているというより、暇潰しのように見えた。
昼休憩も、お弁当持参ではなかったようで外で買ってから休憩室に入って来たのだけれど、この辺で美味しいと評判のデリ惣菜をテイクアウトしている風だった。

前職を聞かれ素直に答えたけれど、業界では有名だったIT企業も、そうでないところでは認知度が低いらしいー恐らく彼女からすれば聞いたことのない会社名を聞かされ戸惑ったのだろうー、曖昧な笑顔を返された。

こちらも同じ質問をすると、彼女の方がバリバリ派遣社員として様々な某有名企業を渡り歩き、10年以上働いていたようだ。つまりは現役。
今回契約満了となり、お子さんの教育費も掛からなくなったのでゆったりペースで働きたいとパートの選択をしたと言う。


「ずっとフルで働いてて、ちょっと休憩したかったんですよね。平日休みがあれば友達ともランチ出来るし。」


 ふんわりした話し方で、見た目的に仕事出来ます!という感じではなかったのに、いざ一緒に業務を教われば、彼女のパソコンさばきが上級レベル。
派遣社員は、会社が変わるごとに臨機応変、その職場のスタイルを習得し即戦力も求められる。
そういった場所で働き続けていた過去の積み重ねが今の彼女のスキルに結び付いているのだろう。

 初日はバタバタと過ぎ、教わったことはメモしまくって。だが花山さんはメモを取らず、すべて頭に入っているのか、教わりながらPC操作をしているだけ。
だが、もう一度やってみましょうと言われるとスムーズに、しかもメモを辿りながら処理する私より早く完成させる。

人柄が良く仕事も出来る同期。比べられる未来に不安が募る。
いや、裏を返せば、教わって曖昧な部分を彼女になら気軽に聞ける。
ポジティブに捉えよう。







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