マウント返し

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 久しぶりに、次女から電話。
夫不在だったので、代わりに用件を受ける。
姪っ子の愛ちゃんのピアノ発表会のお知らせ。
今年は夏休み中に開催されるらしく、その度に義両親は勿論のこと、私達にまでお声が掛かる。
花束を用意し、それなりの服装で参加する。そして、発表会が終われば食事会の流れ。
コロナ禍だったり義母が倒れたりでここ数年はずっとお誘いは無かったのでこのままもう参加せずに済むとほっとしていたのに。
正直、面倒臭い。
後に、いつものアピールが始まる。

「もう毎日忙しくって。あいの学校、吹奏楽が強豪でしょ?保護者の集まりが多くて嫌になっちゃう。昨日も打ち合わせ兼ねてのランチがあって。友達のカフェの手伝い、断っちゃった。芝生さんは時間に余裕があっていいわね~一人っ子だし、花子は部活も入ってないんでしょう?」


「そうですね。子育ては楽になりましたけど、でもカズヒロさんの仕事の手伝いもありますし、私も新しく仕事始めて今は結構忙しくて。」


 少しの沈黙の後、


「え?仕事って、IT系の会社でバイトしてたんじゃなかったっけ?」


「事情あって辞めたんです。で、今は普通の事務です。」


「芝生さんって、パソコンとか使えるんだ。事務っていっても、ただ入力したりするだけでしょう?ずっと座ったままキーボード打ち込み続けるなんて、私には無理だわ。」


 次女は三姉妹の中でもやたらとマウントを取りたがる。そもそも専業主婦だった頃はあからさまに私を下に見ていたし、私がパートであってもオフィスワークをしているのが気に入らないのかもしれない。
なんだかカチンときて、柄にもなく言い返す。


「私、体力ないので。逆にお姉さんみたいにずっと立ちっぱなしで動き回っている仕事の方が無理なんですよね。それに、事務は入力だけじゃないですよ。色々数字も扱ってますし、この年で頭を使わないとならないんで大変です。でも、脳トレにはなるのかなって。」


 実際の私は、まだまだ半人前。
仕事の全体像も把握してなければ、ただ言われたことを機械的にこなしているだけだし、それは次女が言う単純作業に他ならないのだけれど。
あまりにも馬鹿にした口調で言われたことで、普段眠っている私の闘争心に火が付いたのだっだ。

悪意あるマウント、やられたらやり返す。
少しずつだが、私の中で変化が訪れている。







 


 

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隣の芝生
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