コールセンターの仕事。
新人の私に与えられた「目標」はベテラン衆とは比べ物にならないくらいの低め設定だけれど、さすがに入社してから未達成が続く日々に、とうとう社員から指導が入った。
あぁ、とうとう目を付けられたなという諦めと、トークを常に聞かれているという緊張感で、マニュアル通りの言葉もうまく出て来ず、もうボロボロ。
今日はそっちの仕事が午後からだけれど、もう行きたくない。
時給は高いし、交通費も出るから晴れている日はチャリ通でその分浮くしと、金銭面では良いことづくめ。
しかも、座り仕事で持病の悪化も防げている。
他にも出来ない新人はたくさんいるから、私の出来の悪さは薄まるとのんびりした気持ちでいたけれど、世の中そんなに甘くない。
例のおじいさんとまたシフトがかぶり、なんと大口の契約を決めて拍手喝采。
社員からも既に一目置かれ、人当たりも良いので休み時間はパートのおば様方の輪に入り、楽しそうに世間話をしている。
定年過ぎてもスキルさえあれば、居心地も良く稼げる場所なのだ。
反して、私より後に入社した人でも今月は2名退職、更に今年の新卒入社も退職したらしく、向き不向きが激しい職場だ。
そして現在、私は「向いていない」方の人間に分類されている。それはもうはっきりと。
指導が入ってから、社員直々にプレッシャーのような言葉を掛けられることが一日のうち最低一回はあり、それがもう苦痛の根源。
事務パートと同じくらい嫌になって来た。
だが、4時間我慢すれば5000円以上手に入る。
夫からの生活費だと足りない今、少しでも補填する為、働けるうちは働くしかない。