「もう、疲れた。浪人しようかな。」
「今の時代、浪人なんていないぞ。しかも女の子で浪人なんて、就職先だってきつくなる。」
模試の結果が悪く、子は投げやり。
夫は子の弱気な発言に追い打ちをかける。
確かに、大学全入時代と言われている昨今、浪人なんてあまり聞かないし、当時、私が受験生だった頃はあちこちにあった予備校だって、今や見かけなくなった事実。
現在、女子の浪人率は15%以下。それが現実だ。
頑張っても頑張っても、周りも同じくらい頑張っていれば、成績はなかなか上がらない。
また、一般選抜を最初から目指して計画通りやってきた子達と比べたら、遅すぎるスタートだ。
「浪人する子もたくさんいるよ。」
「たくさんって、誰が?」
「・・」
欲しいものがある時、「みんなも持ってる!」と騒いだ幼少期から変わらない。逃げたい時、どうしたって楽な道に進もうとする子達に意識は向くし、流されて楽になりたい気持ちも分かる。
「やってみるだけやらないと。初めからそんな気持ちでいたら勝てる勝負だって勝てないぞ。」
私よりもずっと、受験を経験して来た夫が言う。難関大学卒の父親の言うことはもっともだけれど、だからか子にとってその言葉はプレッシャーでしかない。
「浪人とか、実際、全部終わってから考えたら。」
私が言えるのはこれくらい。
「クリスマスくらい、楽しく過ごしたいよ。」
「来年のクリスマスを楽しく過ごしたくはない?」
軌道修正に骨が折れる。
女子の浪人率
娘