大学の成績

本
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 子の大学の成績が返って来た。
散々遊んで、バイトして、勉強なんていつしてるの?ってくらいだったので期待していなかったのだけれど。
一瞬、目を疑った。
ほぼ、Sが並んでいたからだ。私達の時代の「優」「良」「可」「不可」ではなく、今は優の上のランクである「秀」が「S」で、続いて「A」「B」「C」「Ⅾ」となる。
前期、履修した科目のほとんどがそのSだったのだ。

「すごいじゃん!」

 素直に嬉しい。高い学費を支払っているのだ。遊んで成績がCやDだったとしたら不甲斐ない。
夫にも報告したけれど、リアクションはいまいちだった。
そんな父親の顔を見て、子の表情が少し曇った気がする。後に、ぽつりとつぶやいた。

「誰でもこんな成績取れるから。うちの大学だったら。あんま意味ない。」

 そうなの?
確かに勉強している感じはなかったけど。それだけ授業に集中してたってことじゃないの?
なんだか釈然としない。夫の態度も、それによって出た子の言葉も。

 本当に、意味がないのかー
チャッピーに尋ねてみても、耳障りの良い返事しか返ってこない。
なので自分なりに調べてみた。次第に、心が小さなシミを作り広がっていく。
これだけの成績が取れるということは、もっと上を目指せたのかもしれないという思いがじわじわと湧く。
子が志望していたMarchには、あと少しで届かなかったのかと。僅差で落ちて、今の大学に入ったこと。Marchと子の大学との間に、子にとって丁度良いランクの大学があったのでは?というかすかな後悔。
就活の書類選考では、まず真っ先に大学名でふるいを掛けるだろう。いくら成績が良くても、そのふるいから落ちてしまえばこの成績は日の目に出ないままなのか?どうにも腑に落ちない。
そして、所詮、成績の良さは参考程度。企業が見るのは、その子の人間性とガクチカー学生時代に突き抜けた何かを成し遂げたこと。

 厳しいけれど、それが現実。
だが、今、変えられない事実を嘆いても仕方がない。手持ちのカードで勝負するしかないのだ。


「勉強はこの調子で頑張って損はないよ。なんなら首席までいかずともトップ10狙ったりすれば奨学金とか貰えるかもしれないし。あと、何か人と違うことに挑戦してみたら?」


「違うこと?変わったバイトとか?」


「うん、それでもいいし。本当に自分が興味のある分野について掘り下げてみたりとか。」


「漠然としてるな。ちょっと思いつかないけど・・考えてみる。」



 最近の我が子は、以前とは違い、割と私のアドバイスに耳を傾けてくれるようになった。
トリプルワークをしてみたり、今回のように異動話を引き受けたりと、今のポジションに満足せず失敗したとてより良い方向へチャレンジしている母親の姿が少しは伝わっているのかもしれない。



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