ゲリラ雷雨と知人

雨 わたし
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 傘を持たずに自転車でぴゅーっとショッピングモールへ行き、買い物を済ませて帰ろうとしたら、入り口付近でざわざわと人の群れ。
車ではなく徒歩や自転車で来た人達が、外の様子を伺っている。
ゴロゴロと雷、ぽつぽつと雨が降り出していた。
仕方がない。両手にスーパーの袋をひっさげつつ、フードコートでしばらく時間稼ぎをしようと思うけれど、思うところは皆同じで、昼でもないのに満席。お盆ということもあるのだろうけれど。

 腕に袋の紐が食い込み、ずらすと肌が赤く変色していた。こんな時に限って、醤油や油など買い込んでしまった私は大馬鹿だ。
30分から1時間でがらっと変わる天気に人々は振り回される。圧倒的な自然の力の前で人間は、どうしたって無力だ。

 あー・・
スタバの前を通り過ぎようとした時だ。見覚えのある横顔。
咄嗟に、名前が出て来ない。彼女は友人らしき同世代の女性と朗らかに談笑していた。
本屋まで辿り着き、あーと思い出す。あの人はMさんだ。大泉洋推しのー
子ども会の役員を一緒にし、お宅に遊びに行ったこともある。ランチだって。ただ、彼女の知り合いに出会った時に他人の振りをされたあの出来事で、私の中で膨らみ掛けていた期待はバッサリ裏切られ、そのまま疎遠になった苦い思い出。

 普段、記憶の底に埋まっている思い出したくもない出来事。
それは、ゲリラ豪雨のように突然やって来て、私の心をかき乱す。
ちょっとしたことでも、傷付いたことに変わりない。

「お久しぶり。」

 今、あの場に行き、笑顔でそう声を掛けたら彼女はどんな顔をするだろう。
他人の振りをするだろうか?
モール内に、外の雨の音は届かない。そろそろ、豪雨は過ぎ去っただろうか。

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