凡ミス

ボトル 仕事
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 笑う。
この強風の中、パートへ行ったのだけれど、今日は出勤日ではなかった。
シフトが少なくなり、以前より不規則になったことで間違えてしまった。
職場ビルの入り口で、小川さんに遭遇してそれに気付いた。


「おはようございます。」

「おはようございます・・え?今日、出勤日ですか?」


 穴があったら入りたい気分。
回れ右をして帰宅しようとした私に、


「出勤しちゃってもいいんじゃないですか?ここまで来たんだし。逆に次のシフトをお休みにすればー」


 だが、彼女にそんな権限などなく、そうするのならリーダーに申請しなくてはならない。
彼女とリーダーとの距離感と私とリーダーとの距離感は、明らかに違う。
他に職場の人と顔を合わせないうちに、そそくさと引き上げたかった。


「ぼけてますよね。本当、嫌になります。でも、丁度、区役所に行く予定があるので寄って帰ります。」


「そうなんですね!なら良かった、お疲れ様です。」


 人の好い彼女は、私の分かりやすい嘘も信じてしまうのだ。
ふらふらしつつ、図書館に少し寄り、スーパーにも寄り卵と牛乳と豆腐を買い、帰宅。
まだ昼前なのにどっと疲れた。
強風に煽られながら、自転車はきつかった。
髪もボサボサ、身もよろよろ。途中、何度か転倒しそうになりながらもなんとか無事に帰って来れた。


 疲れたので、ちょっとゆっくりしよう。
出勤に持参しているマグの珈琲はまだ熱い。


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隣の芝生
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