#クラス替え

ローファー
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 「#クラス替えがトレンド入りしてるわ。」



 子が、スマホを見ながら呟いた。
月曜から新学期の子。クラス替えが気になるらしく、ナーバスになっている。
ジタバタしたってもう決定しているのだ。どんなクラスであっても1年間やっていかなくてはならない。


「はぁ~・・鬱になりそう。」


 分かる。
私だってそうだった。
大抵、数少ない友達とはクラスが離れて疎遠になる。1年間頑張ってなんとか築いた関係があっさり終わる。そして、まっさらな状態からスタート。
大抵、初日は互いに探り合いながら、遅れを取らないよう必死になってグループ化する。
そこで乗り遅れるとまずいことになる。とにかく初日が肝心なのだ。
2日目辺りから、初日に取り敢えずグループに入れた子達は高見の見物をし始める。
ぼっちの子を認識する余裕が生まれる。そこでぼっち認定されたら終わり、誰からも相手にされなくなるしそれが嫌なら初日以上のコミュ力で挽回しなくてはならない。


 少女漫画の新学期風景。あんなのは嘘だ。


ーわーい!また同じクラスだね!


 なぜか主人公とその取り巻きはがっつり同じクラスになること。
あり得ないパターン1。


ーおはよう!私、OO。よろしくね!ライン交換しない?


 前後の席に座る子がコミュ力高く、しかも性格も良く、グイグイ話し掛けてくれるパターン2。


 主人公はたいてい消極的陰キャなのに、このあり得ない初日パターンで1学期が終わる頃には陽キャグループの一員になっており、しかも友達以上恋人未満的な男子と絡むようになっている。
陽キャ女子が主人公を垢抜けイメチェンさせ、しかも素が美人だったりするものだから、文句無しの高校デビューを果たすのだ。


 子は、1年のクラスは恵まれていたのかすんなり馴染み、しかも目立つグループに入っていたようで見た目から変わった。
メイクもそうだけれど、遊びに関しても。
だが、半分は私の血が混じっているのだ。オセロのように、真っ白だと思っていた盤面が、途端に真っ黒に変わることもある。それが人生というものなのだ。


 それでも、子の幸福を願わない親はいない。
どうか、楽しい学校生活が送れますように。
修学旅行だってあるのだ。それを楽しみに出来るようなクラスメイトと巡り会って欲しいし、そのとっかかりとして一人でも話せる子と同じクラスになれたら安心感が違う。


 私の面接の合否より、子のクラス替えがうまくいけばいい。
私はまだ何度もチャレンジ出来るからいいけれど、子の高2生活はこのクラス替えで決まるのだ。
どうか、神様ーお願いします。






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