買い物ついでにふらふらショッピングモールを彷徨っていると、本屋に併設されたガチャガチャコーナーを見付けた。
最近、この手のコーナーが増えている。
そして、そこに集まる人々も、老若男女問わず。
まだ子が幼い頃、何かを頑張った時のご褒美に使った思い出。
注射を頑張った時、テストで100点を取った時、ちょっと私の買い物に付き合って貰った時など。
そんな思い出のあるガチャガチャだが、少し見ないうちに様々な種類のものが増えている。
大人もはまるーとは聞いていたが、本物顔負けのミニチュアキーホルダーなどもある。
ふと目に留まった、私の好きなメーカーのお菓子ミニチュア。
何を思ったのか、私は財布を開けていた。丁度、ガチャガチャに必要な100円玉が3枚あるのを確認し、衝動的にコインを入れた。
周りは、私のような大人もたくさんいたので恥ずかしくなかった。
懐かしい感触。コインを入れるまでは、子にやらせる時にやったことはあったけれど、実際このハンドルを回すのは何十年ぶり。自分が子ども時代の時ぶりかもしれない。
ハンドルを回すと独特なその音と感触と共に、ゴトっとカプセルが落ちる。
ドキドキしながら、お目当ての物が当たるようにと期待しつつ、手を伸ばす。
小さなカプセルを取り、実際それを見るのは後のお楽しみ。買い物をしてからにすることに。
このワクワク感。これで既に200円分払ったようなものだ。
買い物終わりを待てず、レジに並んでいる間にそーっとカプセルを覗き見た。
残念!
私が欲しかったそれではなかった。
もう一度ーとちらっと思ったけれど、やめた。結局、ガラクタなのだ。
それでも、300円。中身ではなくワクワク感を買うこと。
アラフィフのおばさんでもいいじゃないか。
ちょっとしたことだけど、なんだか楽しかった。