暗雲

ジャムトースト 家族
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 子が、仮病なのかなんなのか具合が悪いと言うので学校を休ませることにした。
夫もまだ微熱が続いているので休み。なので、私だけの出勤。
食欲が戻って来た夫は、何か食べるものを用意しておいてくれと言う。
子も、熱はないので食欲はある。

「本当に体調悪いの?学校行くのが嫌なだけなんじゃー」

「ママとパパの風邪がうつったんだって。これから熱だって出る気がする。」

 自分だけの出勤準備なら時間は掛からないけれど、2人分の朝食と昼食の準備をして出掛けるとなるとバタバタ。結局、いつもの朝と変わらない。


「うどん、レンジでチンすれば食べられるから。あと昼はお粥は作り置き出来ないから、ポトフ作ってあるからそれと食パン食べてってパパにも伝えておいて。」

「はぁい。」

「冷蔵庫に果物とゼリーもあるからね。」


 修学旅行の準備等、色々と行きたくない事情があるのだと思う。
欠席の選択は正しかったのかー、いまだに悩むけれど、子が自身で決めたのだからもうそうするしかない。


洗濯や食器洗いなど済ませ、自分の朝食は立ち食いで食パン一枚、ジャムをつけて食べた。
職場のランチ用に、ポトフをジャーに入れる。タッパーの冷凍ご飯をそのままランチバッグへ。
ふりかけも持参。昼は、これをチンするだけ。
一通り準備を済ませ、時計を見ると出発時間まで5分も無い。
珈琲を淹れる時間も無かった。

パートには行きたくない。でも行けば、今日一日で7000円は手に入る。
ただ、ふっと何とも言えない不安が押し寄せる。
近い未来、こんな朝が日常になりやしないかと。
寝室から出て来ない夫、リビングでパジャマのままだらける娘。
この光景を後目に、私は無理矢理気合いを入れ、通勤バッグに手を伸ばす。




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