集合住宅の排水溝清掃

ホース 生活
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 日中、チャイムの音に玄関ドアを開けると、そこにはホースを手にした清掃業者。
そういえば、先月にチラシが入っていたなーと思い出し、大慌て。
排水溝清掃の日だったのだ。

辛うじて掃除は終わっていたけれど・・・

 ドアを開けてしまったので、無かったことには出来ない。
本当なら、あと1時間後にまた来て欲しい状況。
すっかり無職のくうだら過ごす癖が付いているお陰で、昼近くであってもまだ部屋の中はごちゃごちゃしていた。
ただ、奇跡的に水回りの掃除は終えていた。
皿洗いも、風呂掃除も。
しかしそれは、あくまでも自分仕様。
排水溝清掃をする為の前準備ではなかった為、業者は唖然としていた様子。


排水溝清掃の前準備

 常識なのだろうけれど、集合住宅に清掃が入る場合、その周辺を片付けるのは勿論のこと、作業がし易い環境にしておくことが必須。

【キッチン】
① 排水溝の中を掃除するのは勿論、その奥にある蓋を取り外しておく
② 水切り籠などが置かれていたら、バケツなど作業道具が置きやすいように避けておく。

 私はそれが出来ていなかった。

「すみません、この籠、移動して貰えませんか?」

「あ、すみません!」

急いでどかすと、排水溝の籠を取り出し、そしてその奥の蓋も・・
横目で見ていても、ドロドロのねばねば状態になっている蓋。そこは掃除していなかったー
作業員の手が止まったのを見て、

「すみません!それ、掃除してなくて・・」

「・・・大丈夫ですよー」

 不機嫌そうな声。そりゃあそうだ。その蓋は去年の年末以来ノータッチだったのだから汚れも酷い。


【風呂場】

① 排水溝のゴミキャッチャーの掃除
② その更に奥にある取り外し出来る部分の掃除

 これは、作業員が帰った後、風呂場を覗いて外されたそれを見てぎょっとしたのだ。
髪の毛が溶けたような、ドロドロの、文字にするのも具合が悪くなるようなものが一面に張り付いており、慌ててマジックリンでこすりシャワーで流した。
臭いがもう、酷いものだった。作業員に謝罪したい気持ち。

【洗濯機】

① 防水パンの清掃
② 防水パンの蓋が見えるようにしておく

 これはもう、最悪なものだった。
水回りーキッチンや風呂場、それに洗面台は夫が口うるさいので日々掃除するようにしていたけれど。
防水パンにまで頭が回らなかった。
洗濯機の置き方が悪く蓋が見えにくかったことで、業者が洗濯機を持ち上げて移動してくれた。

「本当に、すみません!」

 平謝りしつつ、洗濯機をずらしたことによる防水パンの酷い汚れ。埃まみれの靴下やハンカチなどが出て来る出て来る・・・
業者は無言で清掃に徹していたけれど、穴があったら入りたいーそんな気持ちだった。


お礼のペットボトル

 マンション依頼の清掃なので、個人で彼を呼んだわけでもないのだから、そのまま終わりで良かったのかもしれない。
ただ、余りにも酷い環境の中で文句も言わず清掃してくれた彼に、何かお礼がしたかったのだ。
咄嗟に、備蓄棚にあったお茶のペットボトルを渡した。

「いえ、いいです。大丈夫ですから。」

「本当に、色々とすみません。今日が清掃ということを忘れてましてご迷惑お掛けしました!」

「あー、じゃあ、ありがとうございます。」

 一度は断られたものの、受け取ってくれたので良かった。
本当に、申し訳ない気持ちで一杯だったのだ。

 今後はこのようなことが無いよう、きちんと予定をカレンダーに記入しておかなくては。
夫にもよく言われるけれど、私の脳みそのキャパは蟻と同じくらいらしい。
そして、単純作業は得意だけれど、ちょっと応用が必要だったりハプニングがあれば、もう何をしてもうまくいかない。
だからこそ、普段からちゃんとしておけと言われる。

 清掃をしたのは業者なのに、まるで大掃除をしたかのような疲労感。
午後は、テーブル周りやソファーに置かれているごちゃごちゃしたものを片付けようと思っていたのに、珈琲を飲みながらごろりとトドのように寝そべっている。



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