不合格

滝
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 この暑い中、夫はふらりと外へ出掛けて戻らない。
昼には帰るだろうと、素麺を茹でたけれど、すっかり麺は固まってくっついてしまった。

資格試験の結果、ボーダーギリギリで落ちた夫。
パーセンテージ、あと7%で合格だったらしい。
私からすれば、落ちたけれどそこまで到達した夫を凄いと思うのだが、結果がすべて。
合格かー不合格か。
仕事以外は勉強に充てていた夫。早朝5時起き、夜は飲みにも行かず深夜まで勉強。
だが、落ちた。

結果が出てからというもの、上の空。
私が話し掛けても、聞こえているのか生返事。
仕事はかろうじて行くけれど、家にいる時はほぼ自室。
ノックをしてお茶を運びにドアを開けたら、ベッドの上であおむけになり、頭の後ろで腕を組んで天井の一点を見つめていた。


 私は私で、新しいパートのことで頭が一杯で夫のことに目が行かなかったけれど、大丈夫だろうか。
次はどうするのだろう、また来年も受けるのかもうやめるのか。
夫が口を開くのを待っている。





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隣の芝生
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