私の愛車

サイクリング 生活
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 夫が約束通り、電動自転車を買ってくれた。
結婚し、子を産んで以来、こうして私だけの為にお金を使ってくれたことなど初めてかもしれない。
自転車ショップを数軒回り、価格を比較し、アウトレットで手に入れた新しい自転車。
実際、手にすると重い。かなり重くて、普通のママチャリの方が楽なのでは?と感じた。
恐る恐るサドルにまたがり、電源スイッチを押す。
ペダルに片足を乗っけると、突然、グイン!!と自転車が進んで慌てた。


「慣れるまで、練習だな。これで通勤も買い物も楽になるだろう。」


 夫も満足げな顔。
遥か昔、婚約指輪を貰った時のことを思い出した。
今は、付けることもあまりない、高価な指輪。
いくら良いものを買って貰っても、使わなければ意味が無いなーと思う。
その点、自転車は使う。生活の一部だからだ。恋人時代とは違い、夫婦になり家族になると、こうした実用的なプレゼントが嬉しかったりするのだ。
家電も、然り。次は食洗器が欲しいなーなんて妄想する。


 近所を何週かするうちに、感覚を掴めてきた。
なんだか、新鮮。原チャリの免許はないけれど、もしかしたらこんな感覚なのかも。
少し力を入れただけで進むから、信号待ちとかは怖いけれど、坂道などこれまで疲れるからと遠回りしていた道も迷うことなく進める。
駅のショッピングモールも、これからは気軽に行ける。


 そして、ママチャリが壊れたのと暑いのとで電車を使っていた通勤。
来週からは、チャリ通デビューだ。
パートは相変わらずの失敗だらけで気が進まないけれど、通勤手段が変われば、気持ちも少しだけ上向く。交通費が出ない分給与が減っていたからだ。

行動範囲も、もう少し広がるかも。
秋になれば、サイクリング日和。
休日は、愛車に乗って川沿いを走ったりしても気持ち良いかもしれない。




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