病院三昧

かばの人形の歯 わたし
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 仕事のストレスが影響しているのか、蕁麻疹がまた出てしまい薬も無いので皮膚科へ。
ノーマスクになった今、顔の蕁麻疹の腫れは目立つし、酷くなるのも怖いので億劫だけれど会社帰りに立ち寄った。
久しぶりの皮膚科へ行くと、待合室にはすごい人。
受付へ行けば、


「予約はしていますか?」

「え?予約?」


「えぇ、先月から事前に予約を取られた方から診察となっていまして、予約なしですとキャンセルが出たり、診察と診察の間が空いたタイミングで入っていただく感じでして・・」


 そんな話を聞きながらも、顔だけでなくふくらはぎや太ももも痒い。
他の皮膚科に行くか迷いつつも、動いて断られるのは嫌だったので待つことにした。
診察時間終了間近にようやく診て貰えた。薬を貰って一安心。

 
 ほぼ昼を食べずに自宅に戻り、既に夕飯の準備。
珍しく腹が空いていたので、冷蔵庫にあったとうもろこしを茹でて食べた。
奥歯に違和感を感じると、ガリっと何かを噛んだ感触。
嫌な予感がしつつ、ゆっくり慎重に口内のとうもろこしを咀嚼し、飲み込む。
ガリっとした正体を指でつまみ、取り出した。

ーなんだ、これ?

口の中がなんだか気持ち悪く、麦茶を飲むと、脳天に来るように左奥歯が沁みる。
そして、ようやく気付く。歯の詰め物が取れたのだ。
絶望的。
子は、塾へ行くところで夕飯をさっさと作らなくてはならなかったけれど、そうも言っていられず歯科医院に電話をして事情を話す。
診療時間はもう過ぎるのでその日は断られたけれど、翌朝一番に診てくれると言う。
だが、明日はパート。
歯の詰め物が取れたので休みますーなんて常識外れかもしれないけれど、麦茶が沁みるだけでなく、普通に呼吸をしても、空気が沁みて痛いし辛い。

 意を決し、職場に電話を掛けると、話したこともない男性社員が出た。一応、リーダーに代わってくれと伝えると、会議中で席にいないと言う。


「分かりました、また後で掛け直します。何時頃、会議終わりそうですか?」


「一応、20時までってなってます。」


「分かりました、ではその頃にまた掛け直します。」


 タイミングが悪い。
こうして無駄に緊張する時間が増えて行く。
20時まで、そわそわしながら家事をし、塾から帰宅した時に食べれる軽い食事を作らなくては。
子は、冷凍庫にある焼きおにぎりしか食べずに塾へ行ってしまった。

料理の味見も奥歯が沁みて辛い。
なんだかもう嫌になって、このまま全部を放り出したい衝動に駆られる。


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