レイアウト変更

葉 仕事
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 小川さんが隣にいない。それだけで不安感が増し、自席で固まったまま数時間。
中山さんからの指示に従い作業をする。
先日、退職願を出したことも影響してか、少しだが彼の物言いが柔らかくなった気がしている。
それでも相変わらず質問はし辛く、今週は単純作業的な仕事が多かったこともあり、彼と接触する機会も少なく済んだ。

質問をするのに、相手に分かるよう説明をしなくてはならず、それをまとめるのに時間が掛かる。
サクっと聞いて理解出来たら、その分の時間はロスせずに済むのに。
今週は小川さんも不在だったので、中山さんにちょっとした質問や説明を受ける時以外に口を開くことはなかった。
電話応対もしなくていいと言われた。これは、先日の面談の時。
当面は、新人君に対応させたいとのことだった。
この部署に掛かって来る電話は、問い合わせが多い。
なので、何も分からないパートに対応させるには無理があり、少しは内容を把握しているだろう新人君に任せた方が事がスムーズに進むのだと思う。


 今朝、朝礼の時にリーダーから「レイアウト変更」を来週にでもする予定だと伝えられた。
レイアウト変更と聞いて、さっぱり意味が分からなかったのだけれど、要するに部署内の席替えということだ。
まだ詳細は知らされていないけれど、プロジェクト担当ごとに区分け出来たらということだった。
それってつまりー、小川さんと離れ、中山さんと隣になるということなのか。
ここ最近は、小川さんからの仕事は殆ど無く、中山さんからの仕事ばかり。
それに、先日は彼が率いるプロジェクトチームの打ち合わせに参加させられた。
私以外、全員が男性。そして皆、揃ってエンジニア。
場違いなおばさんがポツンと座り一言も発しないそれに、誰も注意を払うこともない。
空気のような存在だった。

 気付けば「空気」になることは慣れていた。
これまでのパートだったり子どもの学校関連やママ友の群れでも。
ただ言えるのは、これまでは空気にさせられてた感があった。
空気なのに、ねっとりとまとわりつくような嫌な視線を感じていた。
それが、皆無。
本当に彼らは仕事に集中しストイックにこなしている分、余計な雑音に鈍感なのだ。
ただ、彼らの仕事を邪魔するようなことがあれば、例えパートという立場であっても容赦ない、そんな気がしている。

 来週のレイアウト変更が憂鬱。
毎度のことだけれど、週末なのに仕事のことが頭から離れない。



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