幸せな朝

わたし
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仕事がない、幸福な朝。
夫と子を送り出し、のんびり珈琲を飲む。
パートを辞めたらやろうと決めていたリストを眺める。

・大掃除
・メルカリ
・家計の見直し
・学校関係プリントの破棄
・クローゼットの整理
・録画したドラマ一気観
・子の写真整理
・バルコニーの片付け

ざっとこれくらい。しかし、まとまった時間がないとなかなか手の付けられなかったこと。
まあ、もう少し落ち着いたらでいいかと、リストの書かれた手帳を閉じる。

ソファーにごろりと寝転がり、ワイドショーを眺める。
今頃、工場では朝礼を終えて点呼を取り、そしてそれぞれの持ち場表が配布され、作業スタートといったところだろうか。
なんだか遠い過去のように思える。
最終日は、誰からも声を掛けられなかった。
いや、掛けられないだろう予想が出来たのもあり、そそくさと一番に更衣室を出た。
挨拶すらせずに。
今までお世話になりましたーくらい声を掛けるべきだったのだけれど、なんだか私の知らない内輪話で盛り上がっているいくつかのグループを回ってわざわざ会話を止めるのもな、と思ったのだ。どうせもう二度と私の人生に入って来る人達ではないのだし。
そんな風に言い訳をしながらも、自分の社会不適合さにうんざりもする。

子の合否が決まったら、自分のことは考えよう。
今はとにかく休みたい。
洗濯機の回る音が、二度寝を誘う子守歌に聞こえた。

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