パート代お小遣い

コスメ 生活
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 花山さんの社交自慢が止まらない。
やれ、友達と温泉に行っただの、アフタヌーンティーへ行くだの。
子どもも成人しており、好き勝手やっているのだろう。パート代はすべてお小遣いだと言う。
家のローンも返し終え、悠々自適というやつだ。

「今月厳しくって。だからお弁当。」

 そう言って、米田さんらとの外ランチを断り私と一緒に昼ごはんを食べた先日。
散々、自慢話を聞かされて、昼休憩はとてつもなくうんざりさせられた時間だった。
今月厳しいというのは、パート代を生活費にまるっと充てている私のような主婦が使う言葉だ。
彼女がなぜ厳しいのかといえば、シミを消すレーザー治療に数万使ったからなのだ。

「ここ、見て。これ一つ消すのに一万。あとこことここも来週やって貰うの。」

 美容代にいったいいくら使っているのか。彼女の綺麗なクリスマスカラーの爪を見て思う。


「芝生さんは、休みの日は何してるの?」


「家事でいっぱい。何も出来ないよ。」


 同期だし、私も彼女に敬語を使うのはやめた。
それによって、彼女は私が心を開いたのかと思ったのだろうープライベートな会話をしてくるようにまでなった。だがどれもが自慢話なのだ。


「交際費が馬鹿にならなくて。休みの度に友達とランチするだけでパート代が全部無くなるし。だって、ランチだけでは済まないでしょ?その後、買い物とか行けば、服とかコスメとかさ。楽しいんだけどね。」


 あー、はいはいそうですね。
心の中、うんざりしつつ、仕事帰りに買う物リストを思い浮かべる。
トイレットペーパーと洗剤、それに醤油も切れていたっけ。
コスメ?何それ?美味しいの?状態なのだ。


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隣の芝生
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