プラダの件でもやもやしていた吉田さんの件。
実際、夫に確認した訳ではないけれど、恐らくそうなのだと思う。
我慢出来ず、夫に聞いた。
「吉田さんって、いつ退職するの?」
「あぁ、それだけど。社員という形をやめにして当面はバイト雇用にする。」
「え?だって向こうに戻るんでしょう?」
「繁忙期というか、今回もだけど年度末の諸々で俺らには分からない事務手続きとかやって貰うのにやっぱり彼女は必要だからな。バイトっていってもそれなりに支払わないとならないけど。」
話が違う。
介護もあるからすっぱり辞めるんじゃなかったのか?
「あいつ、株で儲けてるし。無理して働かなくてもやっていけるんだよ。実家も金持ちだし。」
尚更、「ここ」にしがみつく必要ないではないか。
バイト?趣味?夫がいるから?なんでー??
言葉にならない思いが顔に出る。
「あなたさ。顔、怖いよ。っていうか老けたな。」
この流れでよく言ったもんだ。
夫のそんな言葉に傷付く程に、もう若くない。ただ、腹が立つ。お前だって腹は出てるし禿げてるし、私の外見にあれこれ言える立場でもないだろうと。
「あなたこそ、人の云々の前に仕事どうなの?もう3月も終わるぞ。」
隙を与えないその台詞に、何も言い返せない自分にも腹が立つ。
対等じゃないのだ。
夫婦の溝は、そこにある。