写真販売

フィルム
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 子がまだ幼稚園や小学校の頃。
学校行事の写真販売は楽しみだった。
園や小学校低学年の頃は、写真販売は廊下などに展示されており、それぞれの写真に番号がふってあって、我が子がどこに写っているか何度も何度も確認しながらあれこれ選ぶのが楽しかった。
中には、先生方が撮った写真も混在しており、素人ならではの仕上がりがかえって子どもの自然な表情が写し出されていたりして、それがまた良かった。
高学年になった頃から、写真はインターネット販売となり、ゆっくり自宅のPC画面から選ぶそれも楽しいものだった。


 高校では、学校からの便りは保護者向けの回覧システムに届くのだが、それに「2年生・修学旅行・写真販売」の通知が。
開くと修学旅行の写真が仕上がったとのことで、業者の写真販売サイトがリンクされている。
パスワードは入学当初から決められており、キーコードを入力すれば閲覧することが出来る。
我が子は行けなかった修学旅行。観たところで子は写っていないのに、なんとなく開いてしまった。

 知らない子ども達。
高校になり、一気に子は私の知らない世界へと足を踏み入れ、PTA役員をしていてもやはり小中学校の頃とは違い、交友関係は勿論のこと、クラスメイトの顔すら分からない。
笑顔で旅行先の建造物の前でポーズを決めている子ども達。
精一杯のお洒落をし、ヘアメイクをし、お揃いコーデで楽しそう。
勿論、やんちゃな子や派手な子達だけではない、地味な大人しいグループの子達も平等に撮影されており、それはそれで控えめにも笑顔で楽しそうに過ごす様子が写されていた。

この中にはいない子。
この通知が子ども達には届いたのか分からないし、担任から写真の話があったのかも分からないけれど。もし子がこの件を耳にしていたらと思うと胸が痛い。
行かなかったことに子は後悔はないようだけれど、スッキリ爽快という訳ではなく、やはりどこか後ろ暗いところが残るような気がしてならないのだ。


 行事写真の販売は、楽しみにしている人だけではない。
皆が皆、順風満帆に楽しい学校生活を送っている訳ではないし、こういった些細なお知らせに傷付く親子も存在する。







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