不機嫌がまだ続いている夫。
それでも私は食事の用意をするし、彼の洗濯物を洗って干して、身の回りのことはする。
今朝は、私と子が朝食を取っても起きて来ないので、夫の分は取り置きしてラップに掛けておいた。
10時過ぎに起きた夫は、ダイニングに用意されたそれをレンジで温めて無言で食べ、そのまままた自室へ。昼も同様に、私と子が食べて少ししてからやって来て、温めてから食べていた。いずれも食べた後の食器は流しにすら持って行かずにテーブル上に置いたままだ。
子どもか!?
大声で叫びたい衝動に駆られる。
しかし、こうなることは想定内だったのだろう。私も昼は麺類などにせず温められるピザトーストなんかを用意していたのだ。
夫は午後も相変わらず自室、子も部屋で勉強をしているので、私はちょこちょこと大掃除に取り掛かっていた。夫の部屋もいつもならするけれど、今年は自分でして欲しい。洗濯も、洗って干すまではやってやったのだから、取り込んで畳んで自分のクローゼットに仕舞って欲しい。何もしなかったらどうなるか?思い立って、やってみた。さすがに文句を言うだろう。沈黙よりマシだ。
夕方になり、洗濯物を取り込んだ。夫のものだけ残すのはさすがに文句を飛び越えて激高される恐れがあるので、自分達の分もそのままに。正直、干したままのものをまた着る方が楽だし、今日の洗濯は土曜に着た部屋着のようなものばかりだから、今夜もまた風呂から出ればそれを着る。
夕飯は、簡単にしゃぶしゃぶにした。
子もいるし、時間をずらせば私達が食べた残骸を食べることになる。それは向こうの都合だし、怒られる筋合いもない。一応、子にお願いする。
「パパに、しゃぶしゃぶ出来たよって伝えて。」
「はぁい。」
しばらくして子が戻って来た。
呆れたような顔で。
「ウーバー頼んだから要らないってさ。」
「・・子どもか?」
つい、声が出た。
そんな私の言葉に、子は苦笑い。
父親のそういう大人気ない部分に気付く年だ。
「パパ、何頼んだのかな?」
「さぁ。」
もう、勝手にしてくれと思う。
食事が終わったのか、風呂へ直行する夫。苛立たし気に、客間の部屋干ししてある部屋着をわざと大きな音を出しながらむしり取って行った。
本当にこういう部分が好かない。なのに、私はきっと明日も夫の食事を用意する。

