夫婦2人きりの生活音。その濃度によって互いの親密さを図ることが出来る気がする。
通常、会話の平均デシベルが60と言われており、ささやき程度で30。
私達夫婦の場合、それ以下のような気がする。ほぼほぼ無音。
夫が休みの平日。
子は学校で、私も仕事が無い日中。
これまでは、資格勉強があるので部屋に籠るかカフェへ出向くかだった夫だけれど、それが無い今、リビングで寛いでいた。
ツーリング仲間や学生時代の仲間も、働いているので平日の日中に会うことは殆ど無い。
こういう時こそ、義実家へ行き、義両親や三女の様子を見に行って欲しいのに。
リビングを堂々と占領された私は、居場所を無くすのだった。
PCも使えないし、寝っ転がってスマホをだらだらすることも出来ない。
なので、無理やり用事を作って外に出るか、そうでなければ家事をしている体を保たなければならないのだった。
これまで猛勉強をしていた反動か、ソファーに寝っ転がってスマホを見てばかり。
最近話題に上っている「スマホ条例」の違反者代表といったところの使用時間だ。
テレビを点けるでもないので、部屋はしん・・と静まり返っている。
食器を洗う水音、それに掃除機がゴミを吸い取る音、時々の咳払い。そういった微かな人間が生じさせる音のみで会話は殆ど無い。
一人きりの時の無音には耐えられるー、いやむしろ心地良いくらいなのに、誰かがいると無音は騒音に匹敵すらする。
なんだか、泡のない水槽に押し込められたような息苦しさをおぼえるのだ。
今はまだ、子が学校から帰宅したらその生活音は華やかなものになるけれど、いずれ夫と二人きりになった時を思うとなんだか怖い。
夫婦の生活音
