社員並みの仕事

付箋 仕事
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 冷たい雨の降る中での出勤。
電車内は、連休で浮かれている家族やカップル連れがおり、更に気持ちが萎える。

出勤してすぐに、事務所も祝日モードなのか朝礼は無し。
中山さんがやって来て、挨拶もそこそこに、

「後で打ち合わせをするので、芝生さんも出てください。」

 嫌な予感は的中で、中山さんが中心となるらしいプロジェクトに関する打ち合わせ。
しかも、社外の協力会社?の人達もおり、緊張を伴う。
リーダーも同席していた。
こんな重要そうな会議にパートの私は必要なの?と思いながらも、メモとペン片手に席についた。


ホワイトボードの前に立ち、彼が説明を始める。
それに対し、協力会社の人が質問をし、それに答える。
リーダーは、同席はしているけれど必要以上に口出しはしていない。
代わりに、中山さんの後輩にあたる男性社員が議事録を取りながら、補足説明として発言をする。
私は相変わらず彼らの話について行くことが出来ず、果たしてこの打ち合わせに参加する意味はあるのか?とホワイトボードに次々と記されていく専門用語や図に視線を送りながらも、緊張を止めてくれない視神経を落ち着かせることに必死だった。
何故なら、朝から顔面麻痺のような症状が出ていたからだ。

 明らかな、ストレス症状。
蕁麻疹や不眠に続き、今度は片側顔面痙攣。顔の片側だけが勝手にぴくぴくと動くのだ。
一応マスクはしているものの、瞼の痙攣は目立つ。それを彼らに知られたくなかった。

ちんぷんかんぷんの打ち合わせが終わると、中山さんから作業の依頼。
彼が今回のプロジェクトリーダーなので、工数管理をしている。
工数は、月・週・日単位で組まれているようで、私もそのメンバーに入っていた。パートなのに。

 本採用になっても、私のモヤモヤは治まらなかった。
パートなのにー、何かにつけてそう思ってしまう。
仕事とプライベートを切り離せない。休みの日も仕事のことを考えてしまう。
ただでさえ時間を切り売りし、時給で稼いでいるパートという立場。
なのに、仕事の時間外でも頭から離れない、切替が出来ない。
もうちょっと頑張ろうという思いと、やっぱり辞めてしまおうという思いに今日も揺れる。





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