忘年会

乾杯 仕事
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 職場での忘年会。
小川さんから声を掛けられた。
グループ全体で行うらしい。


「ご家族もいらっしゃることだし、強制ではないので・・」


 一応、保留ということにしたけれど、出席すべきなのか。
パートだからどちらでも良いということなのか。ならば正直出たくない。
ただ、話の流れついでに聞くと、ほぼ全員仕事で手が離せない理由が無ければ出席なのだと言う。
きっぱり欠席と言えなかったのは、私がまだこの職場に未練があるからなのだろう。
辞めたい気持ちは日々相変わらずだけれど、それと同等にしがみつきたい気持ちもあるのかもしれない。

 そういえば、創業パーティーも年明けに予定されているけれど、それはどうなったのだろう。
出席を求められていないけれど、黙って欠席は正解なのだろうか。
それとも突然、声を掛けられるのだろうか。
予め、日程は分かっている。パーティーなんて一番苦手な私。
壁の花にもなれない、塗り壁ばばあだ。
同じ立場のパートやバイトがいれば、相談出来るのに。
それがかなわないこの職場は、やっぱり居心地が悪い。
蚊帳の外ーという言葉は、専業時代から慣れてきたつもりでも、親しみまでは湧かないのだ。

 新人の男の子は既に私よりもここに馴染み、挙動不審ながらも「そういうキャラ」だと可愛がられ、ついには忘年会の幹事に抜擢されているようだった。
もう一人でも、パートという同じ立場の仲間がいたら違ったのかな。
いや、むしろもっと辛かったかも。もう一人のパートがすっかり打ち解けて、水を得た魚のようにしている様子を見て、私は平静を保っていられただろうか。
きっと、とうに退職していたかもしれない。比較される程、きついことはないから。

やっぱり、忘年会に参加してみようか。
中山さんとも、酒が入ればぐっと距離が縮まるかもしれない。
もう一晩寝て、考えよう。


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