指示待ち人間の私。
対して、黒川さんや花山さんは、担当の業務があることで暇な時はスローペースでそれをやり、忙しい時は後回しにといった具合に、自分のペースで進められているようだ。
私は、指示がある度にそれをやるだけなので、その業務を振った社員は、今私がどの程度の負荷でそれをしているのかが明確。それは窮屈ではあるものの、誰からも業務を振られていない時は、本当に手持無沙汰。同期である花山さんに、「何かお手伝いすることありませんか?」と、今ではもう彼女の方が先輩かのようにコンタクトを取り、雑務のおこぼれを貰う時もあるけれど、それでもない時は、裏紙を裁断してメモを作ったり、シュレッダーをしたり、また事務所の脇に乱雑に置いてある開封済の段ボールをまとめたりといった風に、私なりに仕事を探して動いてはいる。
それでも、本当にやることがない、木佐貫さんに尋ねても、そっけない。無理やり仕事を作るにしても限界。勝手にビクビクしていたところ、社員は定例会議に出てしまった。
途端、花山さんがまた自由奔放に喋り出す。いつものパターン。
「で、どうするの?社員の話。」
「正直、迷ってます。」
「まだ独身なんだし、受けてみたら?」
「でも、結婚するとしたら彼の転勤先に着いて行くことになる思うんですよね。」
「え、黒川さん、社員になるんですか?」
つい、反応してしまった。というか、隣に花山さんがいて、絶対に聞こえているこの話題に黙ったまま、耳をダンボにしているのも感じが悪いと思ったからだ。
「そうだよ、米田さんから社員にならないかって。私は無理だな~。今の働き方、気に入ってるし。」
本音なのか強がりなのか分からないけれど。というか、社員の打診を受けているわけでもないのにそう言える辺り、自分に自信がある人なのだと思う。私は相も変わらずゾンビパートのままだけれど。
彼女が社員になったとして、これからどうなるのか。今の3人パートのバランスが崩れた時、何か嫌なことが起きそうな予感がしている。
「それより黒ちゃん、ついに結婚!?」
「いやいや、まだですけど。でも、私はそろそろしたいなって。子どもを産むタイミングとか。」
「そうだよ!仕事なら、いつでもいいけど。妊娠と出産はタイムリミットあるからね~。そっち大事にした方がいいって。」
花山さんが何となく彼女を誘導しているような気もするけれど、私も内心、このままのバランスが適切だと思っている。
ゾンビパート
仕事