子が、美容院へ行って来た。
帰宅したが、一瞬「あれ?」っとなった。
「行かなかったの?」
「行ったよ。はい、レシート。」
しっかりお金は取られているけれど、何がどう変わったのか謎。
よく見ると、前髪カットとトリートメントと印字されていた。
カットありで6000円は納得出来るが、このメニューだけでこの金額はどう考えてもおかしい。
「髪切らなかったの?」
「切ろうと思ったんだけど。サロンのお姉さんと相談して伸ばすことにした。今の形は気に入ってるし、前髪だけは切ったけど。」
「前髪カットって、普通は500円くらいじゃないの?」
「あー、それはトリートメント代だよ。でも、学生割引で安かったよ。」
「・・・」
確かに、子の頭のてっぺんはつやつやで天使の輪が出来ている。
でも、その持続性は果たして?
私の思った通り、夜、風呂から出た後の子の髪はどうみても元通り。
しかし、子は大満足。
「サラサラ~。やっぱり家でトリートメントするのとは違うよね。」
先日、1本1000円のトリートメントを買ったばかり。
それすら高いと思っていたのに、美容院では1回のトリートメントでいくらするのか。
シャンプー諸々、カウンセリング代を差し引いたとしても3000円はくだらないだろう。
「ママにはよく分からないわ。そんな変わったように見えないし。カットしないなら美容院に行くのはやめてよ。」
「えー、でも、前髪命だし。それはプロに任せたいし。」
「なら、前髪カットだけすればよかったのに。トリートメントなんて、なんか向こうの言いように言われてぼったくられた感じなんだけど。」
「ケチくさ。」
子は呆れたように呟く。私もついイラっとする。
「パパの会社だって大変なんだから。これまでみたいに何でもかんでもお金を使う訳にいかないんだって!」
「だからバイトしたいって言ってるじゃん!」
「それは駄目。」
「あー、もう煩い煩い!」
子は、吐き捨てるように言うと自室のドアをバタンと閉めた。
私がおかしいのだろうか。
今の我が家は、トリートメントにこんなお金を掛けている余裕はないのだ。
年頃の娘にこれを我慢させるのは酷なのか?
案の定、翌朝は寝ぐせでボサボサ頭で起きて来た子。
一生懸命にヘアアイロンで伸ばしたら真っ直ぐになったようだけれど、艶もいつもと変わらないように見える。
美容院のトリートメント。本当にその効果が私には分からない。