タイムトリップ

手帳 わたし
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 虎の子の整理をするついでに、私物の整理。
嫁入りの時に持って来た、小さな小箱。この中に、数冊の手帳が入っている。
私がまだ若い頃。
元彼と付き合って、そして別れた頃の手帳。
いつもは封印しているのだけれど、なんとなく開いてしまった。


 事細かに書かれているスケジュールの横に、一言日記のようなものも。
デートで行った映画の半券や、博物館のチケット。
記憶がぶわっと蘇る。一気にあの頃の私に戻るのだ。


 3時間程、私はタイムトリップしていた。
朝9時にそれを開いて、気付けば正午。まるで夢を見ていた気分。
元彼だけではなく、その頃、契約社員で働いていた時の職場の人達や出来事も蘇る。
普段は名前すら出て来ない、いや、この手帳を見なければこのまま一生思い出さないような人達。


 私は、過去から出来ている。
勿論、今を生きているのだけれど、今の私を作っているのは過去の私で、過去の出来事で、過去に知り合い交わって来た人々や経験だ。
輝いていた思い出は、宝物。
そっと手帳を閉じる。
毎日を輝かせる力があったのだ。諦める訳にいかない。
これからだって、まだ輝くチャンスはある。
それは他人からしたら取るに足らないようなことであっても。


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わたし
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隣の芝生
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