卑しい女

エレベーター わたし
わたし
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 仕事帰り、エントランスでばったり針金さんに会った。
挨拶をし、一緒にエレベーターへ。
なんだか気まずい・・そう思いながら何故だろう?と思い出したと同時に、彼女の方から話し掛けてきた。


「そういえば、お祭りのお礼がまだでしたね、ごめんなさいね。色々と集計したりでバタバタしてて、売上も確定したので。」


 売上が出て、その余剰金?からなのだろうか。手伝いをした人々に支払われるお礼金。
それといって、他に話すこともないまま私達の階に到着し、


「ちょっと待ってて下さい。」


 言われたので玄関先で待っていると、封筒を手に持つ彼女。


「これ、芝生さん分です。色々とありがとうございました。」


 頭を下げられ、私も下げ返す。
ここから近況報告ーなんて流れはなく、あっさりと互いの家に戻る。
もう、親しくなることは無いのだ。ただのお隣さん。それでいいし、それがいい。

さてーと、封筒を開けた。
あれ?っと思う。千円札が2枚きり。
5000円ではなかったっけ?
酔いに任せて彼女に送信したラインは、しかしこれまた酔いに任せてすぐに送信取消をしたまま。


自治会謝礼費
 あれから何の連絡もない。夏祭りを手伝い、5000円貰えるはず。こちらから聞くのも卑しい感じがするので、待ってみよう。そう決めてからもう一か月近く経つ。謝礼をくれるから引き受けたのに・・ こういう時に限って、針金さんとばったり会わ...

 

 5000円ではなかったですか?
なんて、聞けるわけない。
そんな卑しいことをしたら、一気にここの住民に知れ渡る。
針金さんは、嘘を付いたのだろうか?5000円払うといえば、馬鹿な隣の主婦は金目当てに前のめりで手伝いを買って出るだろうと。
2000円と言われたって、手伝いましたよ。そう言い返したい。


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