告白

窓
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 夫は午後から仕事へ行った。
午前中は、家電量販店へ。
新しい洗濯機の購入。
夫は乾燥機付きドラム洗濯機に目もくれず、これまで同様、縦型洗濯機の購入。


「最近のは性能も良くなって、乾燥もしっかりしてますよ。奥様方にはこちらが人気商品でして。縦型に比べたら水道代の節約にもなりますし、今は花粉の時期なのでね、やっぱり乾燥機付きがお勧めですね。」


 そんな店側の営業トークに耳を貸す程の夫ではない。
華麗にスルーし、実際使うのは私なのに、私の意見など聞くこともなく勝手に決める。
住む場所や家具や家電、すべて夫が決める我が家。金を出すのは夫なのだから仕方がないと諦めてはいるものの、釈然としない。


「納品はですね、土日はちょっと無理ですね・・早くとも、来週水曜の午前中になりますね。」


 まさかのたった週2日のパートの日に当てられた。
尚且つ、それまではコインランドリー生活ということになる。
まったくもってついてない。


「その日、パートなんだけど。」


「え?そういう時のパートだろう?」


 パートの話題になったことで、今だ!ともう一人の私が声を上げた。


「そういえば、今月いっぱいでパート辞めることになったから。」


「・・は?」


 狐につままれたような顔の夫の表情が崩れる。
半分顔をゆがめながら、皮肉と笑顔を混ぜた顔で、


「で、次は見付かったの?」


 想定内の返し。しかし、突発的に伝えたことだったのでその返しに困惑する。
夫は深いため息をついた後、スマホの時計を見てから、


「仕事だ。帰ったら話聞くから。」


 私を自宅まで届け、そのまま車で事務所へ行ってしまった。
あれから何もやる気がおきない。
だが、これから山のようにたまっている昨日と今朝に出た洗濯物を持ってコインランドリーへ行かなくては。
あの空間が、結構好きだ。
ぐるぐる回る洗濯物をぼーっと眺めていると、すべてのことはなるようにしかならないと思えて来る。
流れに逆らうことなく身を委ねていれば広い海に辿り着くーそんな風に楽観するのだ。






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