健気な妻

お粥 生活
スポンサーリンク

 昨夜、資格スクールから帰宅した夫が倒れた。
熱をはかると38℃後半。のどの痛みを訴える。
だが、病院は既に午後休診のところが殆ど。
仕方なく、自宅にある市販の風邪薬を飲ませたら、今度は腹痛。
目が回ると言い出し、嘔吐した。

 一晩中、嘔吐とめまいを訴えるので、救急車を呼んだ方がーと思いつつ、本人の意識はあるしと躊躇する。
これが子どもだったら、きっと救急に連れて行くか救急車を呼んだかも。


「タクシー呼ぶから、救急行く?」


「いや、無理、起きれない。めまいが酷い。」


 めまいで寝返りを打つことも出来ないと言うのだ。
途端に不安になり、めまい、症状、病気で検索すると、恐ろしい病名にますます不安感が増すばかり。
とにかく水分を取らせ、体を冷やし、ちょくちょく夫の寝室へ様子を見に行った。
夜も寝付けず、何度も夫の様子を見に行った。
だがそれは、夫が心配と言うよりも先に、夫に何かあった場合の生活が心配なのだ。
私はずるい。自立出来ていない、夫の経済力に寄り掛かる典型的な小賢しい女なのだ。

 今朝になると、ピークは越えたのかすやすやと眠っている。
額を触ると熱も下がっているようだ。
目が覚めたらお粥を作ろう。
まるで、罪悪感を払拭させるかのように、夫思いの健気な妻を演じるのだ。


タイトルとURLをコピーしました