桃の節句

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 もう17回目のひな祭り。
例年通り、ちらし寿司とから揚げやお吸い物の夕飯にしようと思っている。
今日は珍しく遊びに行かず家にいるという子。
夫も日中はどこかへ出掛けるらしいけれど夕飯時には帰宅するというから、それまでに買い出し等して準備をしなくては。
奮発してひな祭り用のケーキでも買おうか。給与が入ってすぐは財布の紐もゆるみがちだ。
家計を預かるようになったことで、いちいち夫にやり繰り費についてお伺いを立てなくて済むのは嬉しいことだけれど、計画的にブレーキとアクセルを使い分けなくてはならないので骨が折れる。

 ここ数年、イベントではカウントダウンをしてしまう。
子と一緒にこうしてお祝い出来るのはあと何回だろうと。
成人になり、すぐに嫁に行くことだって可能性としてはなくはない。
そうでなくても、一人暮らしをしたいと言い出すかもしれないし、大学になればバイトも始めるだろうから生活のリズムも私達夫婦とはまったく違うものになるだろう。
あと数回ー、そう思うと、変なところでケチらず盛大に祝いたくなるのだ。

 お吸い物にはまぐりなんて使ったことはないけれど、買ってみようかなんて思う。
別に、子ははまぐりに興味がないけれど、それでも一年に一回、あの大きな貝が入ったお吸い物を啜る思い出が実家にあるかないかは大きい気がする。
この私にですら、ひな祭りのお吸い物にはまぐりがあった記憶があるのだ。
実母は私よりもずっと金遣いは荒いけれど、そういう意味では子どもの行事ごとにもしっかり金を掛けて思い出に残るものにしてくれた。
そんな記憶を辿りながらひな人形を見る。
私もいつか、孫にひな人形を送る日が来るのだろうか。

 人生は、一度きり。
この頃、このフレーズがぐるぐると頭の中から離れない。
些細なことから大きなことまで、数多くの選択肢に出会った時、自分にとって心地の良いものであるように、そんな環境作りをしていきたい。



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