3Dプリンター住宅

カプセルホテル 生活
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 1LDK50㎡、550万円で家が買える時代が到来した。
人件費カットから実現された破格の値段。
老後、夫と離婚したとしたらを考えた時に、まず一番の不安は自分の住処。
60を越えたら独り身パート女の賃貸暮らしも厳しくなるし、やはり住宅購入が一番の安定剤。
ただ、その為に数千万円貯蓄するなんて、夢のまた夢。
今だって、私の虎の子は数十万足らずなのだ。

 心もとないパートの給与口座を見て愕然とする。
ダブルワークや投資で稼ぎ、なんとかこの不安を払拭出来ないかと思っていた時、この3Dプリンター住宅に心動かされた。
車一台分の住処。
必要最低限の暮らし、カプセルホテルのような佇まいのそれは、一見すれば窮屈なものに思えるけれど、誰彼に気を遣わず暮らせるという点においては、まさに自由の象徴だ。
年老いた義両親や、気の合わない三女、そして夫と4人で暮らす老後は私にとっては何よりの苦行。
夫は子が自立した後の未来について語ることは無いけれど、いずれは両親と同居したい空気を醸し出している。
先日、義実家訪問の時、珍しく自分の部屋を覗きに行った夫はこんなことを言っていた。

「俺がいないからって、物置にしないでくれよ。いつ使うか分からないんだから。」

 そんな言葉を嬉しそうに聞いていた義両親、それに義姉達。
息子、弟が実家に戻ることには寛容なのだ。


 時代がもっと進み、もっと安価で過ごしやすい家が出来ますように。
550万という大金は、普通にパートをしていたら貯められない金額。
やっぱり、投資だ。それしかない。




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