ボーナス

お金 仕事
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 事務パート、珍しく私より早く出勤していた花山さんが、そういえばと声を掛けて来た。

「芝生さん、面談終わった?」

「先週、終わったよ。」


 異動の件かも、と内心で焦りつつそれを悟られないよう笑顔を作る。彼女の面談はどんな内容だったのだろう?という好奇心もちょっと手伝い、聞いてみた。

「花山さんも終わったの?」

「うん、でもボーナス少なすぎじゃない?前に働いてたところだと寸志っていったってもっと出たよ~」

ーえ?ボーナス?

 状況が飲み込めず、だが、花山さんが首をかしげてこちらを伺うように見て来たことで、はっと我に返る。私も勿論ボーナスいただいていますよの体で、軽く頷き、何でもないような顔でPCの電源を入れた。

仕事中も、頭の中はボーナスの文字がぐるぐると回っていた。私は異動の話はあったけれどボーナスの話なんて一言も出なかった。いったい花山さんはいくら貰ったのだろう?少ないとぼやいていたけれど貰えるだけマシではないか。勿論、黒川さんも貰ったのだろう。私だけその話がないのはなぜ?仕事が出来ないから?シフトが少ないから?だがこのモヤモヤを誰かにぶつけることも出来ない。

知りたくなかった情報。知らなければ平和でいられた情報。
お門違いだが、隣で鼻歌を歌いながら呑気にキーボードを打つ花山さんにイラっとする。




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