職場で声を出すのは、出社時と退社時の二度の挨拶と、仕事を朝振られた際の説明に対しての受け答えのみ。
あとはずっと入力作業。
誰とも話さず一日終わる。
私以外の社員達は、協力会社の人を含めての打ち合わせだけでなくちょっとした雑談など、佐藤課長が席にいる時は多少はピリッとしつつも和やか。
私はパートだから、受け身でいるしかない。
仕事でもなんでも。
それに自分からグイグイ行けるタイプではない。
それはA課にいた時からそうで。
花山さんのように、すぐに職場に馴染み自分を出せるタイプでもないし黒川さんのように能力が高く信頼されるタイプでもない。
コミュ力もなければ能力もなく、ただ言われたことを言われた通りにこなすーでもなくミスも多く理解力も低い駄目な人間で。
なので、せめて周囲の邪魔にならないよう黙々と作業をするしかないのだけれど。
それでもこうして一人でずっと同じ操作を続けていると、人間ではなく機械になった気分でもあり、またこれまでのように午前だけで終わる仕事ではなく昼をまたぎ午後も続くので、一日が長く思える。
A課にいた時、花山さんには色々と悩まされた部分も多かったけれど、ちょっとした雑談ー面倒や嫌なことを含めたとしても、それは大事な時間だったのだなと今になって思うのだ。
「おはようございます。」
「了解しました。」
「お先に失礼します。」
8時間のうち、これだけ。
ランチ、花山さんを誘ってみようかと思ったくらいだけれど、彼女はまた米田さんや木佐貫さん、黒川さんと行動を共にするようになった。
楽しそうな声。
内心、私と同様パートは一人になった彼女だけれど、持ち前のキャラと図々しさでうまくやれているように思う。
日々の孤独は、心を蝕む。
そして、プライベートでの悩み多き今、贅沢など言っていられないと自分を鼓舞する。
無縁社員
週3パート事務