「定期代、頂戴。」
子が、無邪気な顔で手を差し出す。
半年分の定期代は、2万弱。正直、痛い。
夫の仕事がどうなるか、先を思うとつい財布の紐も固くなる。
正直、バイトで稼いだお金を用立ててはくれないかとすら思う。
昼代はバイト代からだしてくれているけど、遊びや洋服やコスメ、バンバン浪費している姿を見ているだけでストレスが溜まる。
その癖、家に帰れば冷蔵庫を漁り、
「えー、何もないじゃん。プリンとかシュークリームとか食べたかった。」
確かに、ささやかなパート代で子にコンビニスイーツを買ったりすることがあるけれど。さすがにここ最近はそういう余裕がない。先が見えない分、その不安を打ち消す為にひたすら財布の紐を固くするしかないのだ。
「バイトしてるんだから、お菓子くらい自分で買いなさいよ。」
「じゃあいいや。」
もう成人だし、家の経済状況を伝えても良いのでは?と思う一方、プライドの高い夫だから、娘にお金の心配などさせたくないだろうとも思う。
だが、隠していてもいつかはばれる。
もしかしたら、奨学金を借りることになるかもしれない。
夫の仕事がうまくいっていないことも、子は知らない。
伝えるべきか否かー、だが子どもであっても家族はチームだ。
夫のプライドと子どもの不安、うまくバランスを保ちながら伝える方法を模索している。

