ブランド財布

財布 生活
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 家計用の財布が壊れた1年前。
小銭入れ部分のファスナーがバカになってしまったのだ。
レジで小銭入れが開かなくなり仕方なく札を出してお釣りを貰うとポケットにそれを突っ込む。
その足で百均に行き、応急処置として買った財布。
実際は300円したような気がする。とにかくちょっと使うつもりで買った物。
しかし、落ち着いたら新調しようと思いながら、もう1年経ってしまったのだ。

安かろう不味かろうー、すぐに壊れるだろうと思ったそれは、案外丈夫で使い勝手が良かったりもする。
300円であっても、自分が良ければそれで良し。
ファスナーの開け心地、札や小銭の出し入れのスムーズさに慣れてしまっていた。
見栄えは良くないし、レジで財布を出す度にテンションが上がる訳でもないけれど、八百屋や激安スーパーで使う財布なのだ。それに見合う財布で十分。
そう言い聞かせ、壊れたら買い替えようと決めていた。
ブランド物の財布を毎年買い替えていた独身時代が嘘のよう。

そしてついに、財布がへたれてきた。
素敵な財布が欲しい。家計用であっても、日々使うアイテムなので気分が上がる物が欲しい。
雑貨屋にも可愛い財布は数千円~売っているけれど、なんだかおばさんが使うのにはそぐわない気がする。

お金があれば、ブランド物が欲しい。
私が独身時代にはまって集めていたブランド。バッグや財布、小物や色々、キャッシングしながらも集めていた愚かな過去。
今や、手が届かないその金額に驚愕する。
物価高は、ブランド物も同じく。財布一つに10万円前後するようになってしまった。
素敵な私好みのデザインの財布は、そんなパート主婦にとっては桁違いの金額なので、もう雲の上の存在。
数千円の財布が分相応といったところなのだ。





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