バレンタイン

バレンタインチョコレート 生活
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 昨日、仕事からの買い物をし終えて帰宅すると、ドアを開けた途端、甘い香り。
チョコレートの匂い。
子が学校から帰っていたようだ。


「今日は早いね。」


 特別時程とやらで早かったようだ。
キッチンにはチョコレート作りで使った調理器具がてんこ盛り。
インスタでバズっているレシピで20人分のチョコを作っていると聞いた。
子が、高校生活をエンジョイしているようでなんだか嬉しい。
本命チョコはどうするのか分からないけれど、楽しそうで何より。


「一応、パパの分も冷蔵庫に入れておくよ。」


 きっと、生活に余裕があるのだろう。
父親の分のチョコレートを用意するなんて以前の子には無かったこと。
私が口酸っぱく言ってようやく重い腰を上げ、むしろ私が用意していたチョコを面倒臭そうに渡していたのがついこの間のことのようだ。
一方、私の方がバレンタインなんてすっかり忘れていた。
夫のものは何とでもなるが、義父の分。慌ててショッピングモールでそれなりの価格のものを探し、宅急便で送付した。
仕事帰りに気付けば、デパ地下にも寄れたのに。夫の分も義父のものと同じく。
自分のパート代から出した。
今日、夜にでも渡せたらと思う。




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