理想の職場

空 週3パート事務
週3パート事務仕事
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 私の願い通り、宮本課長と村上君が不在の一日。ホワイトボードにある2人の名前の横には、「OO社直行NR」とある。
なので、バッグに忍ばせた焼き菓子の数は大丈夫。
朝一、佐藤課長の元へ、マドレーヌを手渡した。

「先日はご迷惑お掛けしました。これ、どうぞ。」

「え?いいですよ、そんなことしなくて。それより、体調はもう良くなりましたか?」

「はい、もう大丈夫です。」


 すると、話を聞いていたのか、丸さんが、

「芝生さん、めまい持ちらしいですよ。ちゃんとしたところで検査とかした方がいいんじゃないですか?」

「めまい?私も以前、メニエールだった時があって。辛いですよね。そうですよ、ちゃんと検査した方がいいですよ。」


 温かい言葉を掛けて貰えた。
マドレーヌを、佐藤課長や丸さん、田口さんに手渡す。
そして、田口さんから再び仕事の依頼をされたのだけれど、緊張する私が肩透かしする程に軽い作業だった。
午前中は、いつもの入力やコピーとファイリングと片付け。あと、備品の発注。午後は、書類関連の郵送手続きや、マニュアルに沿った簡単な問い合わせ対応。
昼休み、花山さんに誘われ、一緒にランチもした。
とはいえ、私は弁当持参なので、場所は休憩室だったのだけれど。一人ぼっちだと入り辛い部屋だけれど、誰かと連れ立ってだと心が軽い。皆、思い思いにグループで机をくっつけて食べているのだ。

「黒ちゃん、マジでむかつくんだけど。むしろ米田さんより。あの子、腹黒いよ、真っ黒。」

 名前通りだわ(笑)と、空笑いしつつ愚痴を吐きたいだけで、だから外部の私とランチをしている。
それでも、この職場の中では同期だし同じ立場のパートだし、もう課が違うから比べ合ったりマウントを取られたりという余計なしがらみが消えたことで、随分と楽になった。そう思っているのは私だけで、彼女はこれまでと変わらないのだろうけれど。

 定時ぴったりにあがり、適度な忙しさの一日。
黙々と一人で仕事をする状況は変わらないけれど、だが、私を「芝生さん」と認識してくれている場所で働けて、それなりに気も遣われて、仕事も私が出来る範囲のもので、ランチは同期と過ごして、なんて平和な一日だったのだろう。これで9000円も貰える。
こんな日がずっと続けばいいのにー
理想の職場にようやく巡り合えたのに、期限付きなのが悲しい。


 

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