パート主婦の時間外労働

時計 仕事
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 今日は休み。
ようやく、束の間の開放感。
しかし、明日は出勤なのだ。
データチェックとやらをやるらしく、それは本来社員の仕事なのだけれど人手が足りず駆り出される。
小川さんいわく、単純作業だから大丈夫らしいけれど、初めての業務がこうも立て続けに降って来ると、心休まる時が無い。

議事録作成は、来週。
小川さんが少し余裕のありそうな時を見計らい、予め自宅で作成して来た雛形を見せた。

「え?家で作って来たんですか?業務外にそんな頑張らなくていいですって。」

 パートなのに・・という心の声が聞こえ、驚きを隠せないようだったけれど、私の努力を買ってくれたのか丁寧に目を通してくれた。
少しの手直しはあったものの、大体はOK。
ネットで引っ張って来たものだし、私がいちから自作した訳ではないけれど、自分の検索能力が認められたようで嬉しかった。
そして、彼女が新人の頃に作成していた過去の議事録をコピーして渡してくれた。

「参考になるか分かりませんけど。先にお渡しすれば良かったですね。私も気付かなくて。」

 社員とパート、その線引きを感じる言葉。
私が時間外に四苦八苦しながら仕事の準備をしたことに対し、そこまでしなくてもいいんだよ、という彼女の優しい想いを感じることが出来た。



 それでも、他の業務については難あり。
ひとつの作業に時間が掛かり過ぎている。

「これ、ミーティング中にやってて貰っていいですか?ゆっくりでいいですからね。時間が余ったら、これまでの業務の整理とかしてていいですよ。」


 彼女の言葉に甘え、業務時間中に復習に充てられたら家での自由時間も増えるーそう思い、必死になって手順書を見ながら操作を行うけれど・・
ミーティングの終了予定時間10分前になっても半分も終わらない。
焦って、効率の良い方法を頭で考えてやってみたら、計算が合わない。
どうしてこうなるのか。次第に頭がぼーっとショートしてしまい、何も手に付かなくなってしまう。

「出来ましたか?」

「すみません、ここまでしか・・」


 彼女の表情を見る勇気は無かったが、少しの沈黙が重い。
そして二重チェックをしてもらうけれど、ちらほらミス勃発。
午前までに仕上げなくてはならないデータだったのだけれど、もう私に任せるのは無理だと判断した小川さんは、隣で一気に仕上げてくれた。
彼女の手に掛かれば、数十分で終わる作業。
彼女はベテランだけれど、それでもその作業効率の差に、自分にはこの仕事が向いていないのだなと落ち込んだ。

 パートだから。
時間で働いているからこそ、その時間は120%の力を持って会社に貢献しなくてはならないのに、40%の力しか出せなかったら。
いや、自分的に200%だったとしても、会社からしたら10%にも満たない戦力だったら。
それをカバーする為に、業務時間外に労働することでしか会社に還元出来ないのではないか。

 今日は休み。
しかし、復習と予習をすることしか出来ない。
許されるのなら、勤務時間内に出来なかった作業を持ち帰り、自宅でゆっくりやりたい。
時給が発生しなくてもいい。
1時間で終わる作業を5時間掛けても、誰の目を気にすることなく自分のペースでやれたのなら。
ミスも少なくなるだろうし、私の仕事が出来ない罪悪感も少しは薄まるのに。











 

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