夢のマイホーム

洗面台 生活
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 宝くじが当たったら、マイホームが欲しい。ローンを全額返済等々。
家にまつわる夢を語る人が多い。
私もその一人だけれど、本当の意味で自分自身の終の棲家が欲しく思う。
単身用ということだ。

 子がお泊りしに行く家の話を聞いた。
とても広く綺麗なお宅だということ。
夏に泊まった時も、興奮した様子で話してくれた。
子ども部屋は10畳あるらしく、しかもゲストルームも。
週末は、子の他に数人の友達も泊まるのでそのゲストルームを使うのだと言う。


「うちは、恥ずかしくって呼べないや。」


 この間は、うちに呼んでもいいか?なんて聞いていた子だったのに、さすがに狭いから無理だと現実問題諦めてくれたのかと思っていたけれど。



「狭いし、古いし汚いし。お風呂とか洗面所とかも、なんか昭和って感じじゃん?」


 確かに、我が家の水回りは古臭い。私だって、この使い勝手に嫌になる。
蛇口もひねる方式だし、伸び縮みしない。キッチンのシンクによくある延びる蛇口。あれに憧れる。
シンクの掃除の時、どんなに便利だろう。
洗面台も、N恵の新居に遊びに行った時、とっても羨ましかった。
モザイク貼りのお洒落なタイル。まるでホテルのような広々とした無駄のない洗面台。
あんなに綺麗な洗面台なら、毎日ピカピカに掃除して拭き上げたくなるだろう。
風呂場だって、引っ越したばかりの時からあった落ちない黴や汚れ。
それに、最近では浴槽もミシミシと音を立てるものだから落ち着かない。
いつか壊れるのではないかとビクビクしている。
数え上げればきりがない。
ここにあと何年住むのだろう。
このままマイホームも持たず、いずれ夫の実家で同居?
義両親だけならまだしも、三女もいるのに?
私は、介護要員??
そして今、もしも夫に何かあったなら。
ここの賃貸や事務所の経営等、立ち行かなくなったら。
私も子も路頭に迷う。
保険だって、夫が勿体無いからと言って最低限しか掛けていないのだ。
結局、自分のことだけ。
家族のもしものことなんて考えていない夫は自分の夢を叶えることばかりで無責任だと思う。


 考え出すとキリがない。
子が羨ましそうに他所の家のあれこれを語り、それを聞くだけで歯ぎしりしたい思いだ。
まだ、未来がある子には、素敵なマイホームで心許せる家族と暮らして欲しい。
それが私の、切なる願い。



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