入社書類

　早速、採用が決まった会社へ入社書類を受け取りに行った。
説明と書類をくれたのは、あの女性面接官。
必要なものは、住民票や雇用保険証、年金手帳やマイナンバーカードなどの身分証明的なもの。
それから、社内書式で作成された誓約書や給与振込口座の登録書、それに通勤経路など。
早口で説明され、これまでのパートでもそういった説明はあったけれど、彼女と私とは時間の流れ方がまったく違うーそれが第二印象。
保証人の欄が二名だったのだけど、夫はともかく、年金暮らしの両親でも良いのか気になり、その点を聞こうとするが隙が無い。
彼女が直属の上司だったらきついなーと、まだ初日も来ない前から憂鬱な気分になった。

　会社から出て、外の空気を吸う。
ムンと蒸して、ついこの間まで爽やかな陽気だったのが嘘かのよう。
体中にまとわりつくこの不快感に慣れた頃、ようやく本当の夏が来るのだろう。

今日は同期らしき人物はいなかったけれど、どんな人だろう。
気になったが、何となく聞くのが憚られて機を逸する。
もうすぐ50を前に、最後のチャンス。
だが、あんまり気負い過ぎて前職の二の舞にならないよう、まずは自分の心身と家族を第一優先で頑張っていきたい。