ケアテイカー

ペンギン 家族
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 母から卒業ーなんて出来ないんだ。
結局、墓参りを終えて、これまで通りの母と私。
よくもまあ、愚痴が次から次へと出て来るものだ。
N恵や伯母の前では、だいぶポジティブで物分かりの良い親を演じていたけれど。

 2人きりになれば、ずーっと私はゴミ箱にされる。
疲れる。
あの後、無理をし過ぎたせいか寝込んでいたところに電話が鳴ったので取った。私の声があんまりにも酷かったこともあり、体調が悪いのか?と聞かれ、そうだと答えた。
普通、心配するよね?大丈夫?の一言くらいあるよね??なのに。

「私も一昨日まで寝込んでたのよ!年々体も辛くなってくるわ。夏バテかしら。」

 夫にもそういう部分があり、なんだろう。すぐに自分の方が大変なんだと話をすり替える。

「でもね、あの子が買い物とか色々してくれて、大助かりよ。家のこともうどん作ってくれたりしてね、助けてくれてね。」

 そんな感謝すること?一緒に暮らしていたら当たり前のことだし、助けてくれてって・・そりゃあパラサイトさせてもらってる親が寝込んだらそれくらいするだろうし、買い物だって子どものおつかいじゃないんだし、結局実家の買い物イコール弟だってその買った食料を食べて日用品を使っているんだから当たり前のこと。なのに大袈裟に、あの子は優しい!色々してくれる!(あんたよりよっぽど頼りになる)とウザイくらいにアピールしてくる。
あまりにもしんどいので、

「お互いに気を付けようね、私も今寝てたから・・」

 そう伝えるのに、まるで聞いちゃいない。マンションの住人でそりが合わない人間がいるらしく、その人の文句をたらたら。今じゃなくてもいいよね?
それから今度は、弟の心配。弟の心配は体調不良であろうがなかろうが24時間体制。

「あの子も可哀想よ。職場に恵まれないわよね。いい子なのに。周りの人間はハズレばっかり。」

 まず、仕事が長続きしないのは自分の息子に問題があるからかもしれないーと真っ先に頭をよぎるのが普通なのだろうけれど。すべては周りのせい。自分達が不幸なのは、周りが悪いから。環境が悪いから。堂々巡りの解決にならない愚痴を延々と吐き続ける。


「ごめん、ちょっと本当に具合悪くって。」

「何?あんた更年期?そういう年なのよ。みんなそうよ。私だってそうだったわよ。そんなもんじゃなかったわよ。あんたは私が辛いことなんて知らなかっただろうけど、本当に起きてられないくらいに辛かったけど這ってまでパートに行ってたからね!あの頃の私、すごいわよね。」

 駄目だこれは。
もう、返答をすべてAIに丸投げしてしまいたい気分。
私が辛いと訴えたらーちょっとは心配してくれるかも。母親になってくれるかもーなんて期待した私が馬鹿だった。私は彼女にとって都合の良い娘ーすなわちケアテイカーに他ならない。

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