昨夜、珍しく早く帰宅した夫は、早々に晩酌を始めた。
子はバイトでまかないを食べて来るというので、夫婦ふたりきりの夕飯。
私はパートだったので、作れる品数も限られておりーとはいっても野菜炒めと味噌汁と焼き魚と漬物という、若者不在だからこその和食中心、バランスの良い献立にしたのだけれど。
夫はそのボリュームに満足しなかったのだろう。あっという間に平らげると、コンビニに出ると言い、しばらくすると袋一杯にビールやワイン、それにつまみを買い込んで帰宅。
ローテーブルに、焼き鳥やコロッケ、それに枝豆やとうふのおかず、スナック菓子まで並べてものすごいペースで飲む始末。テレビを観ながらスマホをやり、飲んで食べて、気付けばソファーでぐうすか寝てしまった。
スマホは床に落ちており、拾ってテーブルの上に置いたタイミングで通知音。
見るつもりはなかったが、目に入ってしまった。
「面談日時のご予約」という通知のポップアップが出ていてハっとする。
差出人は、某転職エージェント。
心臓が跳ね上がるのを感じながら、私は思わず画面を見つめた。
今年は夏の終わりに論文式試験を受けたはずだ。11月の合格発表を待つこの時期に、なぜ転職エージェントとの面談なんて予定が入っているのだろう。
夫はもう、答えを出してしまったのだろうか。
あの赤字続きの共同経営から、そして試験にしがみつくだけの日々から、密かに抜け出す覚悟を決めたということ?
でも、彼なりに前に進もうとしているのだ。駄目だった時の保険として、既に動いている夫に救われる。こういう部分について、私は夫をリスペクトしている。

